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先生のコラム

鍼灸医学と病理学の接点を求めて 西岡敏子
 
その6.上古天真論第一男女の生理

発生学に関することは前回で終了しよう。それでもネタはある。
『素問』の第一巻に「上古天真論」という論文がある。この論文は唐代に王冰という道士が作為的に挿入したとかで、議論の多い部分であるが、論文の中心は古来からの伝承であろうと私は考えている。
それは男女の生理の相違を論じたもので、「女子は7
才」、「男子は8才」の周期で消長してゆく過程を示している。
もう10年以上も前になるが、千田校長の特別講義の際にお手伝いをしていて、図1に示す資料にお目にかかった。それは男女の性腺の重量の消長がまさに「上古天真論」の論旨とほぼ一致するという衝撃的な内容であった。
図1:エストロゲン分泌量と睾丸の重量
講義が終った後、故小林三剛理事長にそのことを伝えたら
「それはそうですよ。同じ人間を観ているのですから。観点は違っても同じ結果になるはずじゃありませんか。」と笑顔でおっしゃられて、私はまたまた衝撃を受けてしまった。
「そうなのだ。同じ人間を診ているのだ。東も西もこだわることはないのだ!」

…それからの私は東と西の「共通点を探す」ことをごく自然な命題として、古典を読むようになった。共通点は沢山あった。古典を読むのが余計楽しくなった。
 
今回図2に示すような同様のグラフをみつけた。
これは女性ホルモンの減少に伴って視床下部、下垂体からの分泌指令(青の曲線)が急増する関係を示したものである。そのアンバランスに体は混乱し、更年期障害を起してくる。

図2:女性ホルモン減少に伴う性腺刺激ホルモンの変化

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