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3月3日のひな祭りの日に、本校で3年生を対象とした障害体験が行われました。
準備から西岡由記先生や大倉美樹先生、2年前に卒業された鈴木佐弥子先生がご尽力して下さいました。
この企画は本校にとって初めての試みで、西岡先生の提案から始まりました。「人間は頭で理解していても体験しないと本当のところは分らない。」卒業を控えた3年生に「本当に患者さんの痛みや辛さが分る鍼灸師になってもらいたい!」という願いから実現された企画です。
また先生が今回の企画で体験してもらいたかったことは3つあります。
1つめは「肉体の不自由さ」私たちの肉体は自分の意思の通り動くのが当然だと思っていますが、それが当然ではなくなることを体感してもらうこと。
2つめは、「その不自由さが恒久的に続くことを想像してもらうこと」
3つめは「臨機応変の対処法」です。自分の想定外の状態の患者さんは治療出来ない「マニュアル鍼灸師」は困るからです。 この3つを体験して、今後の治療に役立てて欲しいということでした。
では実際にどのような事を行ったのかといいますと、「高齢者体験グッズ」というのを使用し「片麻痺」という状態を体験しました。片麻痺を学ぶことはとても意義のあることです。何故なら身体障害者の分類で、肢体不自由つまり片麻痺は最も多い障害だからです。
片麻痺の多くは脳血管障害の後遺症によって出来る、片側半身の麻痺です。どんな麻痺かと言いますと、腕は曲げるための筋肉が強くなり、足は伸ばすための筋肉が強くなるので「マンウェルニッケ肢位」という特有の姿勢となります。そんな姿勢を、グッズを使って体験します。まず腕を曲げたままにするため、副子(プラスチックのコルセットのようなもの)で固定。足は膝にサポーターをつけ曲がらなくし、特殊なスリッパを履かせて、「内反尖足」という特有な変形にします。あとは足首に重りをつけたら準備完了。半身の機能が落ちた片麻痺状態を体験出来るのです。
そのような状態で日常よく行われる動作を体験します。具体的にはベットから車椅子の移乗や、杖を使った階段の昇り降りをしたり、グッズをつけていない学生は介助も体験しました。
また今回の障害体験は片麻痺以外にも、「感覚の麻痺や手指の変形を想定した状態」や「白内障」と「難聴」の体験もしました。
不自由な指で箸を使いお菓子を食べてもらったり、特殊な色の付いた眼鏡や音の聞き取りにくいイヤホンを使い、新聞を読んだりTVの音を聞いたりしました。


どれも授業で習ったことですが、実際に自分の体が不自由になることを体験し、より患者さんや高齢者の方の気持ちが分ったと思います。まさに知識より経験に勝る勉強はありません。学生の皆さんからも、そのような感想が多く寄せられました。
3年生は学生生活が終わり、4月には新鍼灸師となります。でも患者さんには、卒業年月日や経験年数などは関係ありません。もう一人で色んな場面に立ち向かっていかなくてはなりません。そんな立場の皆さんに西岡先生の伝えたかったことはきっと伝わったと思いますし、とても意義のある体験となったのではないのでしょうか。学生の皆さん、お疲れ様でした。ご尽力された先生方、学生のために本当にありがとうございました。
