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| (以下、篠崎 巌さん:篠崎) |
| -----篠崎さんは、ずっと教育に携わってこられたわけですが、それがどうして鍼灸の道を選ばれたのでしょうか?まずはその辺りからお伺いしたいのですが。 |
| 篠崎 |
実は鍼灸を学ぶ、というよりも東洋哲学が学びたくて関東鍼灸に入ったんです。 |
| -----確かに関東鍼灸は東洋哲学を学べることが特徴ですが、それにしても何故ですか? |
| 篠崎 |
私はずっと教師として教育に携わってきたけれど、その間に本当にたくさんの問題と関わってきて、中にはなかなか解決のつかない問題というのがありました。現代の教育の現場も西洋的な考え方の延長にあるのだけれど、その考えだけではとても整理がつかない。
そこで、私は東洋的な考え方を学んでみたらどうだろうと考えたんです。 |
| -----解決のつかない問題というのは・・・ |
| 篠崎 |
それは、それぞれの生徒の「個」をどうやって知ったらいいのだろう、という問題です。つまり「個」を知る基準というものが、西洋思想にも、当時の私にも無かったんです。 |
| -----なるほど。それで東洋哲学を学んでみていかがだったのでしょう? |
| 篠崎 |
いや、実際に学んでみてびっくりしました。
授業の中で易学を学んだけど、あの中には「個を知る」ということが体系立てて整理されている。陰と陽の組み合わせで、様々な現象や要素を抽象的にあらわしているけれども、そこにはあらゆる「個」のパターンがそろっている。
こんなに凄いものが世の中にあったのかと、本当に驚きました。 |
| -----そうすると、そうした教育的な経験も生かしながら、鍼灸を行っておられるのですね。 |
| 篠崎 |
鍼灸での治療ももちろん行っているけれど、教育関係の相談を受けることも多いです。今は不登校で悩んでいる子どもも多いから、そういった相談に乗りながら治療を行っています。
学校に行きづらくなってしまった子どもに何をしてあげたらいいかわかりますか? |
| -----そうですね・・・。ちょっと想像つかないのですが。 |
| 篠崎 |
そういう子どもをね、畑に連れて行ってあげるんですよ。
自然の土や水や空気に触れると人は元気になる。 東洋医学でいえば「天と地の気を受ける」と表現されているけどもね。
前から自然に触れることは重要だとは漠然と思っていたけれど、何故、自然に触れることが重要なのかを東洋のものの考え方は説明してくれているんですよ。 |
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| -----鍼灸院を開業されてからのことを少しお伺いさせてください。 |
| 篠崎 |
想像していた以上に、開業するのは大変でした。そもそも他人からお金をもらうことに慣れていなかったからね。
昔の教え子が治療を受けにきてくれても、お金なんか貰えないもの。でも、自分の仕事の対価をきちんと貰わない、ということは自分を安売りしていることになるからね。いろいろと努力して最近はきちんと貰えるようになってきた。 |
| -----医療の一環とはいえ、ボランティアではないですものね。 |
| 篠崎 |
ボランティア的な部分も必要だけど、切り分けないと。
今度地元の夏祭りでも「鍼灸の無料体験コーナー」をやるんだけど、一般の人にもっとはり・きゅうを知ってもらいたいよね。 |
| -----どうしても「熱い」「痛い」のイメージが強いですからね。 |
| 篠崎 |
そもそも東洋医学自体を知らない人が多い。
だから、自分の治療院で治療をするだけでなく、外に出て行って普及活動にも力をいれなければ、と思っているんだ。いろいろなところに東洋医学の話をしに行ったり、駆け回っていますよ。(笑) |
| -----反応の方はどうですか? |
| 篠崎 |
実際、なかなか厳しいね。個人では限界があるよ。鍼灸師会や鍼灸学校がもっといろいろと活動していく必要があるんじゃないかな。 |
| -----はい。学校の方にも伝えておきます。 |
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| -----では、最後にこれから鍼灸の道を目指す人にアドバイスをお願いします。 |
| 篠崎 |
自分の身の丈に合わせてものを考えることが、やはり大切。
鍼灸師の免許を取得したからといって、何かが急に変わるわけではない。だから開業するのも慎重に行ったほうがいいと思います。
私は幸い、地元の中学校で校長職を務めていたから、地域の人脈に助けられているけど、そういったものがないと、いきなり鍼灸院を開いてもなかなか患者さんは来ない。鍼灸治療ができるのは当たり前として、その他にも経営を知らなければいけないし、保険請求ひとつとっても、細かな事務処理ができなければいけない。
そういったことと、自分の身の丈とを比べながら学生のうちから準備をしていけばいいんじゃないでしょうか。 |
| -----「身の丈に合わせてものを考える」、確かに大切な視点かもしれません。今日はお忙しい中、ありがとうございました。 |